「トマトソースパスタ」どういうイメージを思い浮かべますか?
このトマトソースという言葉の(味の)イメージって
人それぞれ違っていて、ピタリこれ!と決めるのはとても難しいのです。
カレーなんてのも同じで難しいですよね?
本場のインドカレー・家庭の味のカレー・ドロドロ・サラサラ
辛いの・甘いの・具がゴロゴロ・具がとろけーの・鶏・豚・牛・野菜
好みとも言えますが、固定観念といえるわけです。
同じことが近年、ピザにも言えるようで、
最近では本格的な釜で焼くイタリアンピッツァ
(ナポリピッツァやローマピッツァ)の専門店も多くみられます。
生地をのばしてから、400℃以上の高温の釜ですばやく焼き上げます。
焼き上がったピッツァは柔らかくて香ばしく、熱々!
味は非常に非常にシンプルで、まさに素材そのもの。
香ばしい生地の風味・柔らかな食感。
モッツァレラの甘みと熱々のトマトソース、そして力強いバジルの香り。
この素材そのものの味の構成を自然の恵みに感謝しながら食すのでしょう。
これが本場イタリアのピッツァ。
しかし、この素材そのものの単純な味の構成を
「物足りない・味気ない・具が少ない・味が薄いなど」
と感じられるお客さんもいるわけです。
なぜか?・・・そう!イメージしているものは↓。
そうなんです。
このように感じてしまう方は
「アメリカンピザ」(ピザーラとかドミノピザとか)
をイメージしてしまっているのです。
マヨ・コーン・照り焼き・グラタン・ボ?ボンバー?・BBQ・ギガミート。
このようなピザを欲していらっしゃる場合が多々あり誤解が生じてしまうため
あらかじめ錯誤が生じないように注意書きするお店もあるようです。
もちろん、どちらがどうとかではいっさいなく
「ピザ」とひとえに言われても、浮かぶイメージも人それぞれなわけです。
また、入った或いは入ろうとするお店の印象によっても
浮かぶメニュー内容の先入観はできあがってしまいます。
たとえば、トマトソースパスタ(スパゲッティー)も同様
喫茶店と思ってなのか、カフェと思ってなのか、レストランと思って入店したのか
によっても出てくるトマトソースパスタのイメージも変わってきます。

トマトソースといえば、ケチャップでしょ!
トマトケチャップをベースにした
ナポリタンを思い出させる
甘くてケチャッピーな、どこか懐かしい喫茶店の味。
お子さんもお召し上がりになれるしね。

よくあるスタンダードなあの感じ?
ファミレスとかで出会うトマトソースパスタの味。
にんにくの香り・オリーブの油・ためねぎの甘みなど複雑にして
なんとなくしっくり浮かぶトマトソースパスタの味や。




リストランテのトマトソースパスタといえば
香味野菜と煮込んだトマトソースさ。
にんじん・たまねぎ・セロリの野菜の甘みが加わった
トータルなひと皿こそトマトソースパスタでしょうが。
すべてあり得るトマトソースパスタです。
①ナポリタンやミートソース系の濃い目の味付けや
②所謂、出来合いモノのよく口にするトマトソース。
③唐辛子のきいたアラビアータ系。
④湯剥きしたざく切りトマトを使ったものや
⑤バターを使った甘めのポモドーロ。
⑥ホールトマトに香味野菜を加えて煮込んだトマトソース。

うちのお店のトマトソース。
今年から変えました。
昨年までは、タマネギ・にんじん・セロリを使った⑤で仕込んでいました。
味の長所としては、トマトというより ひとつのお皿・ひとつのパスタ
パスタとしていっぴんまとまった皿になります。
短所としては、味がひとつにまとまるぶん、強くトマト感をもとめられた場合
きっぱりトマトソースですとならない点がありました。
そのときどきの香味野菜の味によっては、その分量も難しく
野菜の味や量が強くなってしまうと
ぼけた味のソースに仕上がる危険性もありました。
そして、お店の印象・イメージとしても
まだまだ①~③あたりをイメージされている場合が
多いように感じていましたので
今年からよりトマト感が引き立つレシピに変えました。

にんにく・タマネギ・ホールトマト(・オレガノ・オリーブオイル)のみ。
トマト中心の布陣に変えました。
この布陣で予想されるよくある失敗パターンは
いまひとつ「コクがなく」「水っぽいトマトソース」になってしまう場合。
この場合の改善のポイントは、より煮詰める・・・・ではなくて
コクがない原因は、オリーブオイルの量が少ないためです。
油っぽくなってしまうのでは?と思いがちなのですが
オリーブオイルがトマトソースにコクと深みを加えてくれます。
と、トマトソースの話をしておきながら

ただいま、ヨーロッパで春をつげるお野菜
ホワイトアスパラガス!!
こちらを使った
パンチェッタとホワイトアスパラガスのパスタ
がランチとなっております!
ホワイトアスパラガスの独特の歯ごたえとほろ苦さが
まもなくの春のおとずれを感じさせてくれるいっぴんとなっております。