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カフェのネーミングを思い入れだけで付けてはダメな理由。

 

こんちちは!

カフェやさしいちから。の やさちか。オーナーです。

 

 

 

 

 

先日、このようなツイートをしました。

 

 

 

 

よくこんな質問を頂戴します。

 

お客さん

どうして『カフェやさしいちから。』っていう名前にしたんですか?

 

 

いやぁ~こんなギスギスした時代じゃないですかぁ~。最後の『。』は、モーニング娘。からあやかって~(10年も昔の話)。

オーナー

 

なんて・・・表向きお答えしていますが。

 

カフェの場合。お店の名前というのは、理想とするカフェ経営を実現する上で 重要な要素のひとつになります。

 

 

『カフェやさしいちから。』という店名を聞くだけで

 

  • 「いい名前だな💛」という人もいれば
  • 「腹立つわ!」と思う人もいる。
  • 「なんだろうね💛」と興味を示す人もいれば
  • 「わけわんねー!」と拒否反応を示す人もいる。

 

このように、店名だけで自動的に『合う・合わない』を識別できるわけです。

 

 

自店のコンセプトに合わせて戦略的にネーミングすることで
入店される前に、店名により顧客選別ができるのです。

 

つまり”お店 対 お客さん”の相性診断が
入店される以前に無意識かつ能動的に行われるわけです。

 

 

お店は入店されたら最後。「はい」と「申し訳ございません」しか言えません。

 

カフェの場合 店名は、戦略的にネーミングをするべきです。

 

カフェの店名は 自店のコンセプトを維持するためにも、理想とするターゲット顧客か否かを 入店する前の段階で選別するための『第一のハードル』として有効に活用しましょう。

 

“ターゲット顧客との二人三脚がカフェ成功のカギになる理由”を下記にて説明しています。
開業10周年を迎えた率直な気持ちをカフェ経営の観点から考察してみました。

 

 

カフェにおける戦略的ネーミングの必要性。

 

一般的にカフェは”間口が広く・敷居の低い”業態という認識です。

 

こだわっていようが・こだわってなかろうが

オシャレだろうが・オシャレでなかろうが

 

利用する人にとって意識するほどの敷居の高さにはなりません。

 

 

そんじょそこらの名前では なりふりかまわず様々な意図や希望をもった方々が押し寄せます。

 

「とにかくほうっておいてほしい人」から「店にとても期待をして来る人」まで。両極にふれます。店とのミスマッチはとても危険です。トラブルの原因にもなります。

 

うちのカフェも。海外からの観光客や、札幌や仙台、静岡や広島など遠方より横浜に訪れた際の観光の一環として当店にご来店くださるお客様もいれば、

 

「お宅?ゆずる君見れる?ゆずる君。今ゆずる君やってるでしょ?」つってピョンチャンのときね。

 

自店にすごく興味がある方からまったく興味がない方まで

両極にふれるのがカフェの現実だからね。

結果、どちらも満足いかない空間になっちゃうわけ。

オーナー

 

 

 

 

『お客さんのご入店目的に関しては、入店後 どうこう言えません。』

 

 

カフェの場合。いかに入店される前の段階で「どのような毛色のお店なのか」を判断していただけるような配慮が必要となってくるわけです。

 

その判断材料のひとつが、店名となるわけです。

 

 

理想のカフェを実現させるためのネーミングとは?

 

では、どのような考え方でネーミングしたらよいのか。

 

  • ネーミング①:こちら発のネーミングはやめるべき。
  • ネーミング②:自店の軸・コンセプトから起草。
  • ネーミング③:【最重要】”来てほしくない層”がどう思うか?
  • ネーミング④:”来てほしい層”はどう思うか?

 

では、順番に見ていきます。

 

 

ネーミング①:こちら発のネーミングはやめるべき。

 

戦略的にネーミングするのであれば、自分がこうしたいという発想より
その店名に対して相手がどう思うのか・どう感じるのかが基本です。

 

 

よく、カフェの開業本に書いてあるようなネーミング方法だと

 

  • 自店のコンセプトや特徴が伝わる名前。
  • 自店のイメージや感性・センス・カラーが伝わる名前。
  • わかりやすい・覚えやすい・読みやすい・言いやすい。
  • 意味や業種が明確にわかる名前。

 

このような発想は前向きではありますが、カフェの場合だと これでも通用しないかもです。

 

「こんな名前をつけたいな?」
「この言葉をつけるのが夢だった」
「思い入れのある大切な言葉なの」

 

みたいな、こちら発の自己満足な発想はとりあえず置いておきましょう。

 

 

ネーミング②:自店の軸・コンセプトから起草。

 

長くなるので、簡単にイメージしていただくと

 

『軸』とは:”あなたはカフェを開業してどうなりたいのか。”

『コンセプト』とは:”あなたの思い描く理想のカフェ像。”

 

この『軸』と『コンセプト』を明確にすることで、どのようなタイプのカフェなのか・どのようなスタイルのカフェなのか。カフェ経営の方向性をイメージしておきます。

 

 

《例①》

 

【軸】
形はどうであれ とにかくガツガツお金を稼ぎたい。

 

【コンセプト】
調理技術やセンスはないので、簡単なモノで場所を提供することで集客したい。

 

《例②》

 

【軸】
皆さんに素敵なカフェだねと褒められたい。

 

【コンセプト】
カフェの雰囲気とおすすめの商品をお目当てに優しい時間を提供したい。

 

 

ネーミング③:【最重要】”来てほしくない層”がどう思うか?

 

一番 大切なのはここです。

 

ネーミング②で確認した『軸』と『コンセプト』から あなたが理想とするカフェが どのような雰囲気のお店なのかイメージできたと思います。

 

そんなあなたの理想とするカフェに、できれば『来てほしくないな・・』『来たら困るな・・』『イメージと違うんだよな・・』というような “来てほしくない客層”  “来てほしくないペルソナ” を想定します。

 

一見、なに!?って思うかもですが、こう考えてもOKです。

 

『満足させられないな』『苦手だな』『合わないだろうな』『そこ期待されてもな』『そういう店じゃないし』

 

ご来店されてもきっと満足しないな・ご希望に添えないだろうなってところで考えてみてください。

オーナー

 

 

“そんな『来てほしくない客層』が 敬遠しそうなネーミングを考えましょう!”

 

 

 

例えば、『カフェやさしいちから。』の場合。

 

【軸】
存在意義のあるカフェを作りたい。

【コンセプト】
当店が提供する価値とお客様の価値観との共有。

【ターゲット】
20代~60代。
女性・カップル・家族。
カフェ好き。食に関心。

【来てほしくないペルソナ】
蛭子能収
※あくまでペルソナです

本名:蛭子能収(えびすよしかず)
性別:男性
生年月日:1947年10月21日
年齢:66歳(2014年現在)
身長:174cm
体重:91kg
出身:熊本県牛深市(現天草市)
職業:漫画家・タレント・俳優・映画監督
芸能活動期間:1973年~
好きな女性のタイプ:巨乳
酒:飲まない
タバコ:吸わない
公式サイト:蛭子能収 OFFICIAL WEB SITE

 

 

蛭子能収が毎朝必ずやってきて「マスタ!モーニングちょうだい。ゆでたまご半熟。」そして おもむろに競艇新聞を取り出し「あちゃ~そこいくかなぁ~。」5時間後、パンカスをまき散らして退店。

 

【蛭子が拒否反応を示す店名】

カフェやさしいちから。

 

【蛭子の反応】

あ”--ここはない。ここはないよ。モーニング。やってないと思う。こういう 訳のわかんない店はね、ダメ。こういう店に限って、かつ丼とか定食とかやんないから。ホント使えないよ。

蛭子能収

※これは、フィクションです。

 

蛭子さんがモーニングを求めてご来店され 期待してモーニングをご注文されたときに、「モーニングはやってません」とお伝えし、「え”っモーニングないの?冗談じゃないよ!」とご迷惑をおかけしトラブルになるよりも。

 

ご入店前に店名から察していただき、「ここはないよ。モーニング。やってないと思う。こういう 訳のわかんない店はね、ダメ。」と自発的に判断していただいたほうが双方にとって最も有意義な結果につながるはずです。

 

 

 

逆に上記《例①》のような『低原価で場所を提供するような気軽軸のカフェ』の場合。

 

そのようなお店が『苦手とする客層』というのは

 

  • クオリティーにこだわる。
  • 流行やオシャレに敏感。
  • カフェの期待値が高い。

 

などでしょうか。

 

このような客層が「無理!」と敬遠しそうなネーミングを考える。

 

『カフェ赤とんぼ』『カフェどんど晴れ』『カフェ豊YUTAKA』
『カフェ森の木』『カフェぽっぽ』

 

 

 

ネーミング④:”来てほしい層”はどう思うか?

 

最終的にネーミング方法としてはこうなりますね。

 

 

 “来てほしくない層”が敬遠し、”来てほしい層”が敏感に反応するような店名に集約していきましょう。

 

 

例えば、『カフェやさしいちから。』という店名の影響は

 

  • “来てほしくない層”の反応。
    ⇒「わけわからない」「意味不明」で敬遠。
  • “来てほしい層”の反応。
    ⇒「なんか興味ある」「どんなカフェなんだろう」で気になる。

 

具体的に、カフェやさしいちから。の場合。

お気軽な喫茶店感覚のご利用が多いローカルエリアにおいて こだわりを感じ取ってきちんと評価していただけるような客層をターゲットに据えて開業しましたので、この店名の効果により多少なり客層を限定することができ、価値観の共有を基盤に非常にスムーズな経営が展開できました。

 

正直これでもまだまだ誤解を招いてしまうことも多かったです。「なんでナポリタンないの?」「高校野球かけて?」「なにも注文しませんが何か?」「漫画ゴラクおいてないの?」
カフェやさしいちから。の『カフェ』をとっていいくらいでした。

オーナー

 

 

結論:店名はコンセプトを死守するための戦略です。

 

カフェに障壁はありません。

お客様は 各々来店動機をもってご利用されます。

 

すべての来店動機を満たせるようなカフェならば良いのですが、それは思うほど簡単なことではありません。

 

カフェの成功は、お客さんとの二人三脚で成り立ちます。

 

足並みが十人十色の相手とでは全く前に進めないのはご想像の通りです。

カフェのコンセプトに集結した息の合ったパートナーと組むのがどれだけ走りやすいことか。

 

『コンセプトは、利益への台本』です。

 

大金と人生を賭けた大切なカフェならば、多少手荒なマネをしてでもコンセプト通りに遂行させていかなければ、理想のカフェは現実の前にひれ伏すかたちとなります。

 

そんなコンセプトのひとつであるターゲット顧客を絶対に獲得するために、店名は『第一のハードル』として重要になってくるのです。

 

 

“野菜を使ったドリンクや料理がメインのカフェ”を開業したいなら

 

『野菜が全くもってダメな人』が入店されないような店名に。

 

“カフェ野菜の王国”とか”カフェベジベジベジタボー”みたいな。

 

“夜 女性がひとりでも安心してお酒が楽しめるカフェバー”を開業したいなら

 

『お酒をゆったり楽しみたい女性層』が好むネーミング・・

 

ではなくて!

 

まずは『酔っぱらった地元のおっさん』が絶対に入って来られないような店名にする。

※厳しい表現ですが経営戦略としては避けられないのです。

 

” cafe&bar LE amour eternel ” みたいな。
「ハッ?店の名前 読めねーよ」みたいな。

 

うちの近所にも 女性のおひとり様をコンセプトにしてるんだろうな~っていう”シャレオツなバル”ができたんですが、時折 覗いてみるんですが、店内は地元のオヤジさんでヤンヤヤンヤの大賑わい。

 

いくら稼ぎになったとしても『コンセプト=利益 の台本』ですから当然すぐ潰れました。イイ感じのバルだったのに・・・残念です。

オーナー

 

 

 

補足:店名とファサードは、セットで考える。

 

“ファサード”とは、お店の外観です。建物正面のデザインです。

 

店名とファサードはセットで考えることが大切です。

 

ファサードのイメージは、上記で説明したネーミングの考え方と全く同じです。

 

詳しくは別の機会にご説明しようと思いますが基本は同じ

 

“来てほしくない層”が敬遠し、”来てほしい層”が敏感に反応するようなデザインを考えましょう!

 

 

おわかりですよね?

 

ファサードによる顧客の差別化。

たとえば、横文字だらけの スタバやディルーカのファサードと

 

日本語で非常にわかりやすく書かれたメニューボードのファサード。

 

どちらだって言ってみりゃ『ただのコーヒー屋』ですよ。

 

カフェ成功のカギとは “コンセプトは利益の台本です。”

 

『どんなお客さんに来ていただきたくて』

『どんなお客さんに来ていただきたくないか。』

『入りやすいお店』と『入りにくいお店。』

『看板のあるお店』と『看板のないお店。』

『目立つ立地のお店』と『隠れたところにあるお店。』

 

お店は、どんな些細なところ(ここで言う 店名や外観)にも

必ず理由があり意図的にそうしています。

 

「なんだ(笑) この店。入りにくいよなぁ。客来るわけないよな!」

あなた。それ・・差別化されているんです。

 

 

 

まとめ
  • カフェの場合 店名は戦略的にネーミングをするべき。
  • 店名によりどのようなお店なのかを判断いただく配慮が必要。
  • こちら発のネーミングはやめるべき。
  • “来てほしくない層”が敬遠し、”来てほしい層”が敏感に反応するような店名に。
  • 店名とファサードはセットで考えることが大切。

 

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