こんちちは。
やさちか。オーナーです。
前回 カフェを始めたいからと言って
無理にカフェ巡りなんてしなくても大丈夫ですよ。なぜなら、ビビッてやる気が失せますからね。
という内容のご説明をしました。
その内容がこちらになります。
カフェ巡りは必要なし。引きこもってカフェ妄想。#個人カフェ開業
オーナー
目次
行動に移さずともイメトレが実際に役にたった話。
凄いカフェに圧倒されて意気消沈するより、少しダメ目なカフェを見学するほうが、自分の意見やアイデアが生まれてくるのでよっぽど勉強になります。
スタバ・タリーズに続け!カナダ発コーヒーショップ上陸。
かれこれ数年前の話。
あるカナダ発のコーヒーショップが日本に初上陸しました。いわゆる、スタバやタリーズのような外資系カフェです。
新店オープンに先立って、アルバイト募集の発表が大々的に行われました。1次の書類審査を通過した面々は、ホールを貸し切った大きな会議場に集められ最終面接が行われました。そして、そこに当時の私も”バイト希望”で参加しておりました。
無事に採用が決まりまして、数百人の応募の中から合格した十数名が 新店オープンまでの約1カ月間、技術や知識を習得するため毎日研修に励むのでありました。
エスプレッソをベースとしたコーヒーの新たな潮流。
当時、シアトル系と呼ばれたスタバやタリーズは、従来 日本にあるようなドリップ式のブレンドコーヒーが主軸ではなく
イタリア発生の抽出方法である、圧力をキューッとかけて一気にコーヒー成分を抽出するエスプレッソを主軸としたアレンジドリンクを看板メニューに据えていました。
エスプレッソをベースに、ミルクやチョコ、フレーバーシロップなどを加えたラテ系ドリンクが中心の人気メニューです。
持っちゃったりしてね。
オーナー
ご多分に漏れず 私が採用されたこのカフェも ラテ系ドリンクが主軸のカフェです。
複数の注文に対し、大型のマニュアル式(手動)のマシンを素早く正確に操り美味しいエスプレッソドリンクを提供します。
極上のエスプレッソを抽出するためには、熟練した技術とコーヒーに関する『極』を見極められる力が必要となるわけです。
これらをマスターしたヨーダが、『バリスタ』と称されるわけです。(正確には その1点だけでバリスタというわけではないのですが、現在は簡略化され総じてバリスタと言われます)
1カ月の研修を終えた私たち精鋭は、上記の『FAEMA E91』という200万円近くするマシンを操って、カフェラテやカフェモカやキャラメルラテを提供していくことになるわけです……。
退職金全額ぶっ込んだカフェフランチャイズ契約。
研修も終盤を迎え、完成間近の店舗を訪れてみますと・・・
真新しいそのカフェは 超シャレオツで 暖色系のライトで照らされた店内は まるでマンハッタンのような雰囲気。
さすが医薬品会社を定年退職し、退職金を全額ぶっ込んでご夫婦で始められたカフェのフランチャイズ経営。数千万円なんてそうそうぶっ込めませんよ!
ただし FCはやっちゃダメです。
結果 本社に安く買いたたかれます。
全くのド素人がフランチャイズに頼っても、理想のカフェを建てるのと・理想のカフェを経営するのとは、全く別の知識が必要になるからです。
たとえ 経営不振に陥っても、本社がすべてパーフェクトに解決してくれるような能力を持っているとも限りませんし。
誰も助けてくれませんし、助けられないわけです。これこそ、自己責任。本社に安く買いたたいてもらえることが、むしろ有難く感じてしまうこの矛盾。
さあ!待ちに待ったオープンです!
そして、ついにオープンです!
たっくさん研修した成果を発揮できるときがきました。
まずは初日ということで、社員が『バリスタ』の位置(エスプレッソドリンクを作るポジション)につきます。
スタッフ諸君は みなイメージしているわけです。
店員
バリスタ
店員
バリスタ
そして いざ開店!!!
お客さん1人目
お客さん2人目
お客さん3人目
お客さん4人目
お客さん5人目
お客さん6人目
私はレジ担当だったんですが
ブレンドコーヒーのご注文は、バリスタが作るのではなく レジの私がポットから指でジョーッと入れて、そのまま私がご提供します。
社員のバリスタは不要なのです。
社員
私
しかし・・・その後も相変わらず
お客さん98人目
お客さん99人目
お客さん100人目
お客さん101人目
お客さん102人目
お客さん103人目
こんな毎日が約6年間続きました。
私は毎日 ポットを「ギュッとして」「ジャーっとして」コーヒーを入れ続け、たんまりお給料を貯めさせていただきました。
当然、このカフェは数年後 潰れてしまいました。
また同様に、勢いにのってフランチャイズ店舗を増やしていった本社でしたが、10店舗ほどあったお店も数年で直営の2店舗になり、FCオーナーが首をくくる姿もたくさんみてきました。
この事態をただ見てただけの私が学んだ重要な事。
カフェ開業を公言しながらも何にも行動に移さず、ただただお金を稼ぎながら 悲惨な末路へと突き進むバイト先のカフェをジッと考察して得たものとは
- コンセプトは利益への台本だ。
- 店が主役でお客はファンに。
- 普通の店ではダメ。独自性ある強いカフェを。
コンセプトは利益への台本です。
コンセプト通りというのは
- 売るべきモノを売り。
- 魅せたいモノを見せ。
- 付き合いたい人をお客にする。
上記のカフェがしていたことは逆で
- 売るべきモノを売る努力をせず。
- 魅せたいモノを見てもらえず。
- 付き合いたいお客が去っていく。
利益への台本は、グダグダです。
私は強く心に刻みました・・・。
「こうしたい」と決めたコンセプトは、何がなんでも・強引にでも・捻じ曲げてでも その通りに遂行しなければ・・・あのような事態に陥ると・・・。
オーナー
- 客層をターゲット顧客のみに徹底的に絞る。
- 価値観の共有でWIN=WINの関係を築く。
お店が主役。お客さんはファン。
一見、とんでも発言に見えますが
これ大事です!
あくまで私の持論なので賛否両論あるとは思いますが
- カフェは、お店が主役・お客様をファンに。
- 喫茶店は、お客様が主役・お店はご奉仕。
自分たちの音楽を聴いてほしい!
⇕
お客さんの音楽をヨイショするのではない。
自分たちのプレイを見てほしい!
⇕
お客さんのプレイをフォローするのではない。
自分たちの作品をぜひ見に来てほしい!
⇕
お客さんの作品を宣伝するのではない。
カフェが提供する価値観をぜひ見に来てほしい・味わってほしい・感じてほしい・評価してほしい。
そして、好きになってほしい・愛してほしい・ファンになってほしい。
店はそのために努力をするべきである。
私は強く心に刻みました・・・。
「仕方がない、これも商売だ」といって、お客さんのご要望に応えながら商売をするのではなく、自らが主役となり自らに人が集うようなカフェにしていかないと・・・・あのような事態に陥ると・・・。
オーナー
- 魅力ある商品作り・魅力ある雰囲気作り・魅力ある客層作りを提供する。
- 独自性を武器に積極的に攻める戦略で顧客にアピールする。
普通の店ではダメ。独自性ある強いカフェを。
たとえ『カナダNo.1の有名カフェ』であったとしても、ただ普通に売っているだけでは、『ただのコーヒー屋』にすぎない。
ジャニーズと一緒。ジャニタレを『すっごい好きな人』もいれば、『全くなんとも思わない人』もいる。それくらいで丁度よい。
私は強く心に刻みました・・・。
「はいはいはいはい」と普通に営業していたら、上記のカフェのように使い捨てになる。他のカフェや常識にとらわれてはいけない。嫌われることを恐れてはいけない。嫌われてもいい。強烈な個性を持たなければ・・・あのような事態に陥ると・・・。
オーナー
- カフェなのにコーヒーがメニューにない(開業当初)。
- カフェラテよりブレンドコーヒーのほうがめっぽう高い。
- やっているのか・やっていないのかわからない。
- 表に 看板・メニュー・店名がない。
もう狂ってるとしか思えない策ですよ。
これが個性です。
ギルバート
まとめ
まさに異端児ですよ。
狂ってる・・・・。
このような狂った戦略を実行できたのも、実際のカフェに足を運んだり・カフェに積極的にコミットするような行動には出ず
引きこもりながら 自分の頭の中だけで妄想していた成果でもあるわけです。
これこそ多死多産のカフェ業界で生き残る20%の狂人たち。
強烈な個性に繋がるのです。
常識的に行動をして実際にあるカフェを鵜呑みにするより、まずは あなたの頭の中で『最高のオラが一番のカフェ』を想像する。
開業資金が準備できるまでは、それで充分だとおもいますよ。
あとがき・・・。
例のカナダのカフェ時代ですが、もちろん私なりの見解も会社に伝えたり・スタッフ自ら実力行使で改善策を練ったりもしましたが・・・
よくあるパターン。
当然、会社は賛同してくれませんでしたね。当然です。企業対バイトですから。
しかし、私がこのカフェ辞めた後。この会社は、当時 私が提案していたコンセプトに180度方向を転換していました。
当時の私
- 速さじゃない。1杯1杯ゆっくり丁寧に作る。
- 他にはない。ここだけのカフェラテ。ラテアートを施して提供する。
- スタッフであるバリスタの技術や個性を各々存分に発揮させてあげる。
- すべて手作りで作っている。こだわりを見せる。
遅いなら来なけりゃいい。ウザイなら他いきゃいい。くどくどうるさいならそれでもいい。
好きな人が来ればいいんです!
ま・いちフリーターの意見なんて、いまさらどこ吹く風でしょうけどね。
私はとても良い勉強になりました!