こんちちは。
カフェやさしいちから。の やさちか。オーナーです。
さて
先日、このようなツイートをしました。
寿司屋で寿司をそば屋でそばをココイチでカレーを。商品が主役の業態と。商品があいまいでお客さんの目的が主役となるような喫茶店やカフェ。来店目的が十人十色で何屋かも関係なくなると、お金を得るよりも精神的に嫌になっちゃう。あいまいさも心地良いけど、まず何屋なんだと自覚がないと続かない。
— やさちか。オーナー@カフェやさしいちから。 (@caffe_yasachika) 2019年5月23日
なぜ、飲食業の中でも カフェだけが”特異な業態”なんですか?
オーナー
では、さっそくカフェ開業の盲点 詳しくみていきましょう!
目次
カフェという業態は、単純な “売り” “買い” の構図ではない。
お店が商品やサービスを提供し、お客さんがそれらを求め購入する。
これは商売の基本的なかたちです。
例えば、一般的な飲食店においては
- 寿司屋に 寿司を 食べに行く。
- 焼肉屋に 焼肉を 食べに行く。
- ココイチに カレーを 食べに行く。
【飲食店が商品を提供】し 【お客さんがその味やサービスを判断し評価】する。
オーナー
コンセプトがお店にしっかり反映できれば、お店の価値・利益・存続につながります。お店が 売りたいもの・提供したいことがお客さんに伝われば、コンセプト通りなのではないでしょうか。
この当然とも言える商いの構図を鵜呑みにして
カフェ開業を考えているのであれば それはとても危険なことです。
お客さんにとって カフェを利用する動機は “商品” とは限らない。
カフェの場合、下記のような【来店目的】もごくごく当たり前なのではないでしょうか。
- 本を読むために カフェに行く。
- 会議をするのに カフェを利用する。
- 化粧を直すのに カフェに寄る。
- 時間までに余裕があるので カフェで時間を潰す。
- 寒いので(暑いので) カフェであたたまる(涼む)。
- 用を足すために カフェに行く。
カフェの場合 来店する動機や目的が必ずしもカフェの提案するコンセプトであるとは限らないのです。
もし、『世界の紅茶とマンマの手作りクッキー』が売りのカフェを開業したとしても?
もし、コンセプトが『お宝ジャズ音源を楽しみながらコーヒーが飲める』カフェだとしても?
カフェが提案する魅力に全く興味のない人までドシドシやってくる環境。
お客さん
オーナー
禁煙になっております・・・。
じゃっコーヒー。
お客さん
オーナー
一生懸命 コーヒー淹れるの勉強したのに・・・。
静かな席どこ!
じゃジュースでいいや。
お客さん
オーナー
(本読ますために、退職金全額ぶっこんだのかよ私・・・)
なんでもいいんじゃがぁ~
ジャンバラヤ で。
お客さん
オーナー
オーナー
カフェ側の意図するところとは別に、世間的にカフェや喫茶店のような軽飲食業は “間口が広くて・敷居が低い” というイメージが無意識に浸透しています。
この点おいては、カフェを営む側も参入障壁が低く挑戦しやすく。カフェを利用する側も気兼ねなく入りやすい。 良くも悪くもあいまいな業態というわけです。
カフェの”特異性”を理解した上で。大切なのは、ここからです!
ここまで、カフェの”特異性”について確認してまいりました。
- カフェという業態は、単純な “売り” “買い” の構図ではない。
- お客さんにとって カフェを利用する動機は “商品” とは限らない。
- カフェが提案する魅力に全く興味のない人までドシドシやってくる環境。
誤解しないでいただきたいのは、このようなカフェの利用の仕方が悪いといっているのではありません。
他の飲食業とは異なり カフェには このような利用の仕方があるという現実を今一度認識しておくことから カフェ開業の計画をスタートさせるべきだということです。
このカフェの現実、このカフェの実情、この特異性を理解したうえで、このような状況と自店のカフェのコンセプトを照らし合わせ、開業に向けてどのように対策をとっていくのか。この事前の対策がオープン後に認知されていく過程で非常に重要になってくるわけです。
カフェ成功のカギは、軸をどこに置くのかはっきりさせておくこと。
“カフェの特異性”を念頭において、【自分が開業するカフェの軸】を決めます。
『とにかく稼ぎたい。』とか『 美味しいお店って言われたい。』とか 『カフェをやって自分らしいライフスタイルで暮らしたい。』とか。まずは軸をはっきりさせることです。
オーナー
【商品やサービスに自信がない・技術がないなら?】
↓
お客さんが勝手気ままに使うことができる場所を提供することで集客。
↓
主役はお客さんに。カフェはあくまで場。
↓
期待されず・期待もさせない経営方針。
↓
入るものは拒まず。
↓
原価の低いメニュー構成で粗利をどんどん稼いでいく。
↓
体裁よりまずはお金儲け。
オーナー
【商品を見てほしい。商品に自信があるなら?】
↓
その商品に特化したカフェ作り&集客。
↓
その商品に特化した1点突破の商品開発&メニュー構成。
↓
その商品を中心とした販売促進。
↓
その商品で有名なカフェに。
↓
その商品に関して代表的なカフェになるために多少高原価率になってでも評判を得る経営方針。
↓
机上の計算より毎日の客足。
オーナー
あくまで持論ですが、商品を軸にする場合 本当に自信があるならカフェではなくその自信のある商品のお店をやるべきです。例えばカレーの美味しいカフェなら カレー専門店に。パスタが自慢のカフェならパスタ屋に。パンが売りのカフェならイートインできるパン屋に。なぜなら、軸を定めても基本カフェの軸は薄いです。自信があるなら思い切ってカフェより軸が明確な飲食店にしたほうが 客層の選定など余計なことに気をとられずに済み、商品にのみ集中できるからです。
【自分が描く理想のカフェを実現したい。自分が提案する理想のカフェを楽しんでほしいなら?】
↓
自店の提案するカフェに共感できるターゲット顧客に限定した営業方針。
↓
安易にわかりにくいファサード・宣伝広告など販促をかけない・生のクチコミを重視。
↓
『数』(=とにかく誰でも集客)ではなく『質』(興味をもっていただいた客層)からスタート。
↓
こちらの土俵にあがらせて自分の土俵でやりやすいかたちで勝負する。
↓
目先の売上より企業価値・存在価値を高め確かなものにする。
↓
価値観の共有で評判が拡散。クチコミで集客UP。
↓
お金儲けよりまずは企業価値。
オーナー
【地域に密着したカフェをやりたい。人とのコミュニケーションを大切したいなら?】
↓
地域に愛されるようなウェルカムな雰囲気つくり。
↓
広げ過ぎず・こだわり過ぎないファミレス風メニュー構成。
↓
地域の活動に積極的に参加。地域の情報などの収集。
↓
イベント・スクール・催しなどに開放。貸し切り。ワークショップ等の開催
↓
地域に根付いた活動や地域が親しみやすい経営方針で地元に密着した場を提供。
オーナー
軸が明確に定まることで おのずとそれに見合った【客層=ターゲット顧客】が見えてくるはずです。
カフェ成功のカギは、ターゲット顧客をしっかりと限定すること。
自店の軸に合った顧客を選定するには
- 自店の軸・コンセプトをできる限り明確に外部に提示し、どのようなカフェなのかを認識させる。
→入りやすい⇔入りにくい 店内が見える⇔見えない 看板を出す⇔出さない 照明を明るくする⇔暗めにする…etc - 自店の軸・コンセプトに共感するターゲット顧客のみが入店できるような集客対策を行う。=逆に言えば、自店の軸・コンセプトに合わない層をいかに(自然に・能動的に)入店させないか。
→宣伝告知をする⇔しない 店名をわかりやすく⇔わかりにくく 店頭にメニュー表を出す⇔出さない 活字を見やすく⇔外国語にする…etc
ある意味 過激な方法ですが
“コンセプトは、利益・価値・存続への台本”です。
カフェという業態にとっては、出来る限り死守すべきことなのです。
カフェをやる意味である軸を決めて、軸にそったコンセプトを作り・ターゲット顧客を選定をすることで、開業直後から自分の土俵で戦える有利な戦況のもと 理想とするカフェを運営しやすくなるのです。
オーナー
こういう意見もあると思います。
おそらくこのような表現の仕方をすると
「どう過ごそうが、お客の勝手だろう。」
「金払って買ってんだから別にかまわないだろ」
「カフェはそもそもそういうもんだろ」
このようなご意見が出ると思います。
これは100%その通りなんです。まったくおっしゃる通りなんですよ。
だから!だから!お店側がちゃんと考えて開業しないといけないわけなんです!
お客さんには落ち度は全くないのです。
お店側は、お客さんがカフェの敷居をまたぐ前にしっかりと外に向けて”どのようなお店なのか”を明確に示し、ご理解いただけるような努力をしなければならないということです。
そうしないと カフェ側・お客さん側双方にギャップが生じ、お客さんに迷惑をおかけするどころかトラブルになる確率も非常に高くなるわけです。独立開業までして、そんな事態には合いたくないですからね。
開業前にしっかり対策をとっておきたいものです。
- 飲食業の中でもカフェは特異な業態である。
- カフェは、単純な “売り” “買い” の構図ではない。
- カフェを利用する動機は “商品” とは限らない。
- 全く興味のない人までドシドシやってくる環境。
- 開業前にカフェの特異性を理解しておく。
- 理解した上でカフェの軸を決める。
- 軸からそれに見合う顧客を選定する。
- 理想のカフェを実践するためには事前の対策が重要。